【独り寝のお作法】

107. セックスロボットが実現目前!? 男と女、それぞれの受け止め方はどう違うか


hitori

 こんなこといいな、できたらいいな♪ というのは子どもらしい無邪気な歌のようでいて、おとなの世界でも科学や技術を進化させる最大のモチベーションとなります。ノーベル賞の栄光に輝く立派な研究だけでなく、アダルトグッズ開発もこの例にもれず、「ピストンするバイブがあったらいいな♪」「オナホールを電動にして、ペニスをぐいぐい吸引できたらいいな♪」という、人々の飽くなき欲望に応えながら進化を遂げてきました。150年ほど前、江戸時代のオモチャが、水牛の角やクジラの骨を削ったものだったことを考えると、スゴい進歩。江戸の人たちがいまのグッズを見たら、びっくりぽんです。

 このジャンルにおける人類究極の夢といえば、「セックスロボット」になるのでしょうか。SFチックな夢物語とばかり思っていたら、先日、英国メディアで「セックス用ロボットがまもなく現実のものに、実現に向けた課題とは?」と題し、AI(人工知能)を搭載したセックス用ロボットの実現が迫りつつあるという記事が掲載されたのだとか。ここでいう「セックスロボット」とは、いわゆるドール的なものではなく、

 ・ユーザーの視線に応じて目を動かしたり、表情に反応したり、ユーザーが好む行動を自ら取る
 ・ユーザーが最も好ましく感じる体勢や力の強さを学習する
 ・性行為中にいくつかの質問をし、人間のセックスパートナーと同じように感情的な行為も行う

 ……そんな能力を備えてた、「人形でも器具でもなく、はるかに複雑で将来性のあるもの」がイメージされているようです。



男性がロボットで興奮する理由


 ラブグッズ(ここまでのロボットをラブグッズといっていいのか、はさておき)の世界はジェンダーバイアスが強く、男性向けグッズのほうが進化のスピードが速いです。たとえば「VR(バーチャルリアリティ)」を体験できる商品はちらほら見られるようになりましたが、すべて男性向けです。仮想現実世界に女性を映し出し、オナホールを動かせばそれと連動してその女性がエロティックな反応するとか。エロゲやAVの盛り上がりに合わせて(たとえば男優がイクとき)、オナホールが激しく動いて射精に導いてくれるとか。「なんで女性向けは開発されないのかなぁ」と物足りない思いが私のなかにあります。自分がそれを使いたいかどうかは別として。  そもそもドールの世界もほとんどが男性向け。「オリエント工業」の精巧なラブドールは世界的にも有名ですが、男性向けオンリーです。記事中に米国のドールブランド(トップ画像)が紹介されていましたが、男性向けは人種にバラエティのある商品が何体も用意されているのに比べ、女性向け(つまり男性のドール)は一体のみでした。

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 とはいえ、これはいたしかたないことでもあります。男性向けのドールというのは、極端なことをいうと穴があいていればいいのです。自分で腰を動かして射精を目指しますから。でも女性の場合は、じっとしているだけのお人形では得られる快感は乏しいものとなります。騎乗位で動けばいいというかもしれませんが、それだけだと飽きますもんね。

 でも、ここで取り上げられているのはロボットです。「人間のようになめらかな動きをする」のであれば、女性向けでこそ、その真価を発揮できそうなものですが、そうはならないのですね。

 その理由は、やはり男性と女性の欲望システムの違いにあるのでしょうか。男性は視覚的な刺激で性的興奮に火がつくといわれています。ロボットにおいて、外見は理想を追求できます。肌の色から顔、髪、プロポーションに至るまで、自分の欲望をそのまま具現化すればいいのです(その日の気分に合わせてカスタマイズできるようになると、なおイイですね!)。男性の動きに合わせて表情も変わるといいますから、それもさらなる昂りを呼び起こすでしょう。記事中には「不気味の谷現象*」についても考慮されていますが、それで「アニメやゲームのキャラクターっぽく作り上げ」るにしても、男性にとって視覚情報は非常に重要ということです。*ロボットを人間に近づけていくと、ある時点で人間が嫌悪感を抱いてしまう現象


 女性だってもちろん視覚的情報は重要です。しかし、それは個人差が男性以上に大きく、もっとスキンシップ的なものに重きを置く人が多いとされてます。触れたときの体温や肌の質感、表情、吐息、五感でキャッチできるもの。加えて、コミュニケーションや目配せ、などなど相手との関係性のなかで生まれるもの。そちらのほうが重要なのです。男性こうで女性はこう、と決めつけたいわけではありませんが、現在、市場に出回っているグッズが、男性用は女性器(または女性の外見)を模したものが多く、女性用は男性の肉体を想起させないものが主流、という状況を考えても、やはり嗜好の違いは明白です。


ロボットで性を満たすと、差別される?


 バイブレーターにしてもローターにしても電マにしても、そこに女性がセックスにおいて求める情緒性というものは一切ありません。情緒的なものは自家発電的に想像し、グッズは快感をもたらすためだけの即物的な存在。という割り切りがありますが、知能を持ったロボットとなると「人間的な情緒」を求めてしまいそう。それにAIがどこまで応えられるのか、たいへん興味深いですね。

 さらに、「人間=使う側、ロボット=使われる側」といういわば主従関係が固定しているなかで、たとえば私のような「どちらかというと被虐性が強くて、受け身」という性癖の持ち主だと、その矛盾をどう感じるのでしょうか。ぜひ私が性的に活発な年齢のうちに、一般庶民まで普及してほしいものです。

 ただ、そのロボットが出来がよく、精巧であるほど、使う人が「さみしい人」認定されてしまう懸念があります。「バイブを使うのはさみしい女」「セックスする相手がいないから、グッズで埋め合わせている」とう偏見をウンザリするほど浴びてきましたが、不思議とそういった視線はローターより電マ、電マよりバイブのほうが強いと感じます。より刺激が強いもの、挿入を伴うもののほうが、「さみしさの埋め合わせ的存在」と思われやすいのですね。となると、ロボットなんてその最たるものです。その手前、ラブグッズの段階で「それはそれ、これはこれ」という考えが定着すればいいんですけど。


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プロフィール

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■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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