【独り寝のお作法】

140. 女性器コンプレックスはどうして生まれるか? そして、その解消法とは?


hitori

 自分の性器にコンプレックスがありますか? と問われ、「ある」と答えた女性は全体の58%。『女性器コンプレックス 愛する人と交われない女たちの苦悩』(幻冬舎)は、そんなアンケート結果からはじまる1冊です。

 私も、自分の女性器についてコンプレックスがあります。いつ、どのようにしてそう思うようになったのか? と、ふり返ったところ、原体験は小学生のときにありました。私は成長が早めで、アンダーヘアも早々に生えはじめました。当時、同学年の友人たちとスイミングスクールに通っていましたが、その子たちには生えていないのに、なんで私だけ。そのうちワキにも毛が生えてきましたが、誰もその処置について教えてくれず、水着になるのがイヤになり、スイミングスクールは辞めてしまいました。親にもほんとうの理由はいえませんでした。

 それと前後して友人から借りた少女漫画に、思春期にさしかかった主人公が風呂場で自分の性器をのぞきこむ、というシーンがありました。彼女は「私の身体にこんなヘンなものがついているなんて!」と驚くのですが、これは私にとっても衝撃でした。「そのヘンなもの、私にもついているの?」「ヘンって、どうヘンなんだろう?」……でも、見る勇気はありません。ヘンなものを見る以前に、アンダーヘアに縁取られはじめたアソコは私にとって、とっくにタブーとなっていたのです。

 そこから時間が経って初体験を迎えたとき、お互いの経験不足から暗闇で探りあうだけではうまく挿入できず、相手の男子から「見せて」といわれました。「ヘンなものを見られてしまう!」と反射的に思ったのですが、断ることもできず、おそるおそる脚を開き自分のアソコを初めて他人にさらしたわけです。そのときの羞恥たるや……。消えてしまいたいかった。コンプレックスの有無にかかわらず、身体のなかでもっともプライベートな部分を見られる羞恥心は誰にでもあると思います。しかしそのときの私は、彼に「ヘンなの」といわれるのではないかとヒヤヒヤしていたのです。


見られたくないから、恋もできない。


 結局そんなことは言われないまま、目で確認した彼によって無事に私の貫通も終わりましたが、「私の性器は、きっとヘン」というコンプレックスは消えるどころか、ますます醸成されていくことになります。

 さて、同書によると女性器コンプレックスの具体的内容は、1位:臭い/2位:黒ずみ/3位:小陰唇のひだが大きい、あるいは長い/4位:膣のゆるみ、5位:毛深い/6位:処女膜がない(再生したい)……だそうです。わかる~。私は「黒ずみ、小陰唇」ですかね。ヘアは脱毛しましたし、毛がなくなれば臭いはかなり解消されます。デリケートゾーン用のソープも使えば、気になりません。

 著者の喜田直江さんは婦人科形成の専門医で、これまでのべ3000人以上の女性器にまつわる悩みを解消してきたといいます。人に相談しにくい悩みであるだけに、ひとりで抱え込み、悩みが深まる一方の女性たち。女性器を見られたくない一心で、異性との交際や妊娠、出産をあきらめた女性、婦人科検診にもいけない女性がいるそうです。

 人生にも健康にも多大な影響をおよぼす女性器の悩みですが、交際相手から「ヘンだ」と心ないことをいわれたり、相談した男性医師(なかには女性医師も)の無理解によって傷ついたりして、ますます悩みが深刻化するケースがいくつも紹介されていて、読んでいて胸が痛みました。

 私は顔立ちやスタイルをけなされるより、アソコをけなされるほうがよほど傷つく気がします。なぜでしょうね。特に女性は幼いころから外見を評価されつづけてきて、私たちもそれに慣れています(それがいいことだとは思わないけど)が、女性器を人から評価される機会はずっと少なく、慣れることがないからでしょうか。加えて、もっともプライベートな部分だけに、女性器の評価=自分そのものの評価と思ってしまうからでしょうか。

 女性器コンプレックスを生むものとして、私は「メディアの影響」も無視できないと考えます。女性誌のセックス特集やウェブサイトで「あんまり毛深いと、男性にドン引きされちゃうよ♥」「男性に嫌われないよう、アソコをしっかり洗いましょう」と呼びかける記事をみると「女性器は、いったい誰のものなんだろう?」と首をかしげてしまいます。

 さらに、いまは女性でもネットをとおしてアダルトコンテンツにアクセスし、無修正の動画も簡単に視聴できる時代ですから、そこで見る女性の性器と自分のものとを比較してコンプレックスを根深くすることも考えられます。私もAVを見ているとつい、女優さんの黒ずみや小陰唇をチェックしちゃうんですよね。自分がコンプレックスに思っている場所に、自然と注目してしまうのです。で、「あ~、なんでこの人はこんなに黒ずみがないんだろう」「もしかしてビラビラは手術で切ってるのかな? いいな~」と悶々とするのです。

身体を変え、心も変える。


 同書では、約9割の女性が自分の性器を見たことがないという調査結果も報告されていました。それでは、自分のものだとは思えないのも道理です。でも女性が女性器を見ないことにも社会的背景があるはずで、それはほかでもなく「女性器は忌むべきもの」という思想が脈々と受け継がれてきているからであり、21世紀になってなお社会のなかで「女性器は、女性自身の身体の一部」と肯定されることがないからではないでしょうか。

 本書では、女性器コンプレックスが生まれる背景については、そこまで踏み込んで語られていません。もしかすると著者の喜田先生は、そのコンプレックス自体がなくなることはないと思われているのかもしれません。まあ、私もそう思いますけどね。その代わり、本来ならコンプレックスを持つ必要のない人までコンプレックスを持ち、思うように生きられない現状を打開したいと考えられているようで、カウンセリングを重ね、なぜコンプレックスを克服したいのか、その人がよりよく生きられる女性器とはどういうものなのかを本人と一緒に熟考したうえで、適切な処置を提案するのが喜田先生の基本姿勢です。

 悩みが深い人に対して、「気にしすぎだよ」「別に普通だよ」というのはあまり意味がないことだというのはよくわかります。第一、いまはそれを解消するための方法があるのです。婦人科形成では、大きすぎる小陰唇を切ったり、膣にヒアルロン酸を注入したり、外科手術によって悩みそのものを取り除きます。心を変えるのはむずかしいし時間がかかる、身体を変えるほうが手っ取り早いし、身体を変えることで心も変えられる……。それによって恋人ができたり、子どもを授かったり、人生まで変わった人もいるのですから、実ににすばらしい! 女性器コンプレックスという重たくて邪魔な鎧を脱ぎ捨て、人生が身軽になった女性たちがうらやましいぐらいです。


このコラムへのレビュー

コラムに対するご感想をぜひお寄せください。

プロフィール

momoko

■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

オススメコラムリスト

掲示板

  • 最低(0)
    全然気持ちよさそうじゃないし、カメラワーク悪すぎ。
  • 旦那の性癖について(5)
    私の想像ですが『寝取られ』って、男性は「他の男に抱かれる妻」が見たいんじゃないの? ずっと横で見ていて、後で「さっきはあーだった、こーだった」「気持ちよかったのか?」って妻に言いながら 二人でエッチがしたいんじゃないかと思ってました。 不倫とはちょっと違うような気がする。 とらさんは「寝取られ願望がある」ってだけ言われたんですかね。 不倫オッケーなのかは、旦那さんに聞かないとわかるわけないやん。

お支払い方法

クレジットカード
コンビニ支払い
銀行振込
その他の支払方法
ページTOPに戻る