【独り寝のお作法】

25.フェチ系イベントでいろ~んな性癖の人を見て「変態」について考えた夜


 「変態」という言葉をgoo辞書で調べました。6つの意味が挙げられているうち、私が知りたかったのは3番目。「性的倒錯があって、性行動が普通とは変わっている状態。変態性欲」……うーん、わかったような、わからないような。あまりにざっくりしていて、どこからが倒錯で、どこからが正常なのかがわからない。そこで今度は、「性的倒錯」を引いてみました。

「性欲が質的に異常な状態。性対象が自己・小児・近親などであるものと、性目標が露出・窃視(せっし)やマゾヒズムのような疼痛などであるものとに分けられる。異常性欲。性倒錯」

 こちらはかなり限定的です。いま「変態」という言葉が指す世界がとても多様化していることは、変態でない私でも知っています。え? 私は変態ではないですよ。所有しているバイブの数が多いというだけで、使い方はいたってノーマル。性対象も性目標も、至極ノーマル……。「バイブを150本も持っているなんて頭オカシイ!」と言われることはありますが、人が何といおうと私は自分自身が逸脱しているとは感じていません。

 さてさて、そんな私が、かの有名な「変態イベント」に行ってきました。東京でも屈指のディープスポット・鴬谷で毎月、定期的に開催されている「デパートメントH」です。10年以上の歴史を持つ老舗イベントで、かつてキャバレーだったという大正ロマン調の会場に、深夜0時を回ってから、いろんなセクシャリティや性的嗜好の持ち主が続々と集まってきます。

 私は数年前に一度行ったきりだったのですが、そのときはあまりの情報量の多さに目眩がしました。だって、フロアいっぱいに「変態」を自認する人が溢れているんですよ! かわいい女装子さんから、全身タイツ愛好家やラバー愛好家、SM趣味の人、きわどいコスチュームで思わず目のやり場に困っちゃう男女……。

 たぶん、あんまりおおっぴらに書いちゃいけないものもあると思われますが、驚くほどの露出度の方とか、肌を1mmも露出してはいないけれど身体のラインが丸わかりな方とか、総じてエロティックな雰囲気であることは言わせてください。そして、ホスト役としてドラァグクイーンの方たちが、華やか&迫力のある衣装を身にまとい、会場を練り歩いているので、それだけでも一見の価値があります。

変態とノーマルの線引きは?

 今回、私が会場に溢れる変態さんたちにキョロキョロと目移りしなかったのは、『セックスペディア』という本の広報役を仰せつかい、ブースで販売するのを目的として参加したからでした。会場では、物販やPRを目的としたブースがたくさん並んでいます。動物の骨格(鳥とか爬虫類とか)からアクセサリーを作る職人さん、牙を作ってくれるお店、セックスワーカーを啓蒙する団体や、LGBTをテーマにした映画のPR……むしろ、SMグッズを販売しているショップが普通に見えるぐらいのバラエティ感です。

 今回は、そんなブースからフロアを行き交う人を定点観測していたわけですが……変態って何だろう? と頭が混乱してきたのです。

 やむにやまれぬ衝動を抱えている人も少なくないでしょう。こんな格好をしているところを見られたい、いろんな人がいるオープンな場で、こんなことをしている自分を見てほしい……必ずしもそれが性的興奮とセットだとは限らないと思いますが、逸脱した欲望を「ここではそれをしてもOK!」とされているクローズドの空間に限って発揮しているのは、とてもお行儀がいいように見えました。

 そして一方で、練りに練ったコスチュームを身にまとい(といっても、ほぼ何も身にまとっていないに近い例も見ましたが)、自ら作品と化して、そのスタイルのよさや、完成度を誇るように会場を往き来する方も大勢いました。カメラ小僧たちにレンズを向けられて堂々とポーズを決め、やはり作品としてファインダーに収まるその姿は、むしろ健全でした。そこにあるのは、人に話せないような倒錯ではなく、「私を見て!」という強い発信欲のようなもの、もしかすると語弊があるかもしれませんが健全な自己顕示欲だと見受けられました。

 このイベント自体、どれだけ変態かを競う場でもなく、性的に逸脱していない人はお断り! という場でもなく、セクシャリティも性的嗜好も問われることなく、それを発揮したり、あるいは同好の士と交流したり、もしかすると趣味を分かち合えるパートナーを見つけたり……有意義な社交の場所だと、私は勝手ながら解釈しています。「変態」の方々の表現には、私のようなノーマル人間が想像しうる範疇を軽く超える創造性に満ちたものも多く、それらを目で楽しむというのもアリです。ここでは他人が嫌がる行為や、あまりに常軌を逸したことはNGですが、全体的にノールール! でも、だからこそ個人のマナーが問われる……。

 このイベントのあり方は、「変態」のあり方を表しているなぁと思ったのです。何が変態で何が変態じゃないかは、もはやノールール。そもそも線引きできるものじゃないし、いっそ自己申告でいいのではないでしょうか。でも、なかにはそれをそのまま発揮すると社会的にNG……もっと言うと犯罪になりかねないものもあります。変態としてのマナーを守れない人は迷惑どころか、下手をすると犯罪者になりかねません。となると、マナーを守れる人だけが「変態」といって呼ばれるべきなのかもしれない……。

 実は「変態」こそ節度のある人たちなのかもーーそんなことをつらつら思いつつ、繁華街の客引きよろしく各種変態さんに本をアピールしつつ、狂乱の渦に巻き込まれているうちに、あっという間に朝の5時。ひ、久しぶりの徹夜はつらいゼ! と朝の光りのなかでげっそりした肌をいかに隠すか腐心しながらも、今後考えたいことをたくさん持ち帰れたように感じ、充実した気持ちで鴬谷の駅へと歩いていったのでした。

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■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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    >スタッフ様 ご検討いただき、ありがとうございます! 見に行かれないのですが、見に行かれたとしても、販売して頂ければ購入して何度も見たいです! 引き続きサイトを拝見します。 良い報告があることを願っています。 よろしくお願いしますm(__)m
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