【独り寝のお作法】

29.育った家庭が「性に厳しいか、否か」はセックスライフにどう影響する?


 GWはいかが過ごされましたか? 今年は飛び石だったし、勤めはカレンダーどおりだし、どこかに旅行したわけではないし、個人的にはなんだか消化不良感があります。ちょっと実家に帰るぐらいはしましたが、特に何をするでもなく、両親と地のものを食べに出かけたり、のんびり過ごしてきました。でもあれですね、田舎に帰ると毒気を抜かれるというか、エロい気分がなくなっちゃいますね。

 特に最近は、私が寝るために用意されるのが仏壇のある部屋でして……。子どものころかわいがってもらった祖父母や、会ったことのない曾祖父母の遺影が壁にかけられているものだから、なおのこと性欲がしゅるしゅるしぼみます。だからラブグッズをわざわざ持参するのはもうやめようとも考えたのですが、今回はなんと「膣圧コンテスト mesy杯」期間中! ビリ確定と思われている現況をなんとか覆したくて、膣トレグッズ「フェミメイト」とローションだけをバッグに忍ばせて帰省しました。

 両親が寝静まったころを見計らい、まずは和室の電気を消して部屋を真っ暗にしました。遺影と目が合うのを避けるためです。布団のなかに頭まで潜り込み、さらなる暗闇のなかでスマホ画面の灯りだけを頼りに、フェミメイトを挿入し、振動音が漏れないよう気にしながら、トレーニングに励んだわけです(その成果は特設ブログを見てください!)。

 しかしまあ、落ち着かないったらなかったですね。高校までの自分がこの家でオナニーしていたことが信じられないほどでした。もちろん見つからないように最低限のことは気遣っていましたが、オカズやオモチャという物的証拠になりそうなものは、当時いっさい使っていなかったという点では気楽でした。当時、さしてドキドキもしなかったのは、それが私にとってごく「日常」だったからでしょう。性的な物事については、とても厳しい家であったのとは裏腹に、オナニーはすでに私の生活の大事な一部でした。

 性にオープンな家庭と、そうではない家庭。一般的には、育った環境によって大人になってからの性行動はどのくらい差が出るものなのでしょう? 性に対する倫理観だったり距離感、それを実現するための行動力などなど……。「世代」や「地域性」以上に生育環境の影響が強く出るとは思うのですが、不勉強な私は専門家の本を読んだことがありません。そこで、試しに身近なところに聞いてみました。

 私の「身近」というと、アダルトグッズ業界です。以前書いたとおり、美女が多いのですが、それ以上に知性とセンスがすばらしい女性たちです。そうした才能を発揮する場として、自分から業界を選んだ彼女たちに、「もともと、おうちも性にオープンだったの?」と聞いてみたところ、回答があまりにバラバラでやはり「傾向」というほどのものは見えてきませんでした。

家庭と切り離された“性”

 大雑把な印象では、「おカタくて教育熱心」な家庭に育った人のほうが、やや多かったように思います。一方で、オープンな家庭となると、なんと「家業が大人のオモチャ屋」だったという女性までいるので、とても極端です。ただ、おカタい家庭出身の女性たちも、「抑圧された反動」でいまの仕事を選んでいるわけでもなさそうでした。

 私には、彼氏を作ることすら禁じる両親に対して嫌気がさしていて、大学進学のために上京し、ひとり暮らしを始めてからは、糸が切れた凧のようにふらりふらりと遊び回っていた時期があります。それが自由だとはき違えていました。「大学に入ったら絶対にひとり暮らしをして、男の子と遊んでやる!!」というのが、受験時期の強いモチベーションになっていたのも確かです。それを着々と実現していたわけですが、当時は妊娠や病気などへのガードも薄く、よく無事でここまで来れたという感じです。

 それに引き換えアダルトグッズ業界の女性は、育った家庭の厳しさは置いておいて、自立した後、自身の知的好奇心の対象を模索しているうちに、自然に「性」にたどり着いた……というパターンも少なくないように見受けられました。なんてスマートなんでしょう。泥臭い反抗心をぶんぶん振り回していた自分が恥ずかしくなります。しかも自分自身を大切にした遊び方ではなかったので、ほんと消えてしまいたいです。

 ちなみに性の目覚めが早いともかぎりませんでした。世の中には幼稚園児のころから、それとは知らずにオナニー 的行為をしている早熟な人もいると聞きますが、だからといって大人になって性に貪欲になるわけでもないようです。逆に、初オナニーや初セックスが遅いからといって、性に淡白ということもなさそう……。もちろん仕事として「性」を扱うことと、自分のセックスライフの充実はまったく別物なのでしょうが、性に対してきれいにオープンでいる人は、もしかすると生育環境にとらわれないところにいるのかもーーそんな印象を受けました。



 高校卒業と同時に家を出たこともあり、私と両親との関係性はそこでストップしてしまっている面があります。私が子どものころ好きだったものを、いまでも好きと信じているとか。逆もまた然りで、老年にさしかかっている両親を、いつまでも壮年だと見なしてしまいそうなことがあります。だから帰省中の私はなんとなく、まだひとりの女性ではなく、“娘”のままなのでしょう。

 その一方で、私の生活の基盤はもうとっくに東京ーーつまり親とは別個の場所にあります。性生活(オナニーも)もそこに含まれています。その部分は東京に残したまま、成熟していない娘の部分だけ持って実家に帰る。……そこに、「実家に帰ると性欲がなくなる理由」があるのかもしれません。

 そういえば、実家暮らしで「バイブが買えない」と悩んでいる人が多いという話は以前にしましたが、その方たちは親の娘である自分、性生活のある自分でどのように折り合いをつけているのでしょうか。今後もフィールドワークしていきたい所存です。

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プロフィール

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■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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