【独り寝のお作法】

40.若者のセックス離れvs昭和オトコたちのキラキラしたセックスファンタジー


 なんでもかんでも〈若者の○○離れ〉とされる昨今。先日はテレビで〈若者のカマボコ離れ〉とやっていて、吹き出しそうになりました。セックスも〈若者離れ〉がよく嘆かれています。 セックスレスはもとより、それ以前に性体験のない若者が増えている、ということなんだそうですが……なんかズレているという感が拭えません。

 「未経験の30代女性増加『背景にグッズの急速進化あり』と識者」 という記事もありましたが、「ラブグッズがあるから、私、セックスしなくていいわ~」という女性がどれだけいるというのでしょう?  性経験がないのにグッズで欲求を満たす女性というのは、圧倒的に少数派です。第一、セックスは欲求のためだけにするものではありません。 他者とのふれ合い、コミュニケーションは、グッズがもたらしてくれるものではありません。

 「若者がセックスしないから、子供が増えない。特に、仕事にかまけ、ラブグッズで欲望を満たす女性たちがけしからん!」と言いたいのでしょうが、 おいおい、男性の存在はどこにいった……と頭を抱えてしまいます。見当ハズレなところ原因を求めているうちは、問題は何も解決しません。きっと、カマボコも同じですよね。 若者が食べなくなっただけが理由じゃないのに、“おしゃれカマボコ”を作って若者に媚びてもウケません。

 〈離れ〉というけど、昔の人はそんなにセックスしていたの?  先週の当連載では〈熟年セックス流行の実態〉を考察しましたが、 これも若いころに満足のいく性経験がなかったからこそ、それを取り戻すべく、いまになってサカリがついているのではないか、とも考えられます。

 性に対する倫理観が大きく違う時代を生きてきた方々ですし、特に女性が性を主体的に愉しむことは、いまと比べると格段に許されていませんでした。 そのような環境下で長年かけて熟成されたファンタジーが、いま花開いているのでしょう。性の情報にあふれるなかで育った私たちが熟年になっても、こうはならないでしょうね。 ファンタジーは自分のなかで育てるのではなく、巷にあふれているもの。自分から手を伸ばしさなくても得られるものには、“夢や憧れ”は抱けませんよね。

昭和の“性”ってどんなだった?

 だったら、性に対して憧れがありつつも、それなりに自由な性も体験してきた世代がベストなのでは……。そう考え始めたとき、「昭和40年男」という雑誌を知りました。 昭和40年(~41年3月)生まれの男性をターゲットとした隔月刊の情報誌で、ノスタルジックな想い出を共有しあい、明日への活力とする記事が満載だそうです。

 目次を見てみると並んでいるのは、ブルース・リー、外車、外国人レスラー、超能力、ヴァン・ヘイレン、マイケル・ジャクソン…… いや~、海外から入ってきたものにシンプルに胸を高鳴らせ、すなおに憧れていた時代だったんですね。なんて無邪気!  〈THE 男の子〉な趣味がてんこ盛りですが、車もプロレスもロックも、それこそ若者離れが叫ばれているものですね。

 性のにおいがするものといえば、まずは表紙のグラビア。ハワイ出身のグラビアアイドル、アグネス・ラムさんが登場しています。日に焼けたヘルシーかつ肉感的なボディ。 お腹まわりがぺったんこの平成グラドルと比べると、昭和に一世を風靡した彼女のウエストは、ちょいポチャで生活感があります。しかし、顔だけ見ればとってもベビーフェイス。 あどけなさと妖しさが同居する顔で、身体はグラマラス、それでいながら、なんとなくオカン的な安定感もある……まさにオトコの好きなもの全部乗せ状態です。

 そして「気になるけどなぜか凝視できなかった エマニエル夫人」特集! いまだ語り継がれる伝説の官能映画が日本で公開されたのは1974年。昭和40年男たちは9歳です。

 街に貼られたポスター、そこに映し出された半裸の外国人女優、見たいのに直視できずにもじもじする少年たち……。こういう構図、いいですね。 ネットを検索すれば人種、年齢を問わずあらゆる女性の裸体が一瞬にして画面に映し出される現代にはない、ドキドキ感がそこにはあります。 裸を見るって、本当に一大イベントだったんですね。

 それでいて、子供ながら、文学的な香りもちゃんとキャッチしている様子がうかがわれました。 性が“抜く”ための材料=オカズではなく、人間模様や心理を描けるひとつの素材たりえることが、子供にもなんとなくわかっていた時代なんだという印象をうけました。 もちろんいまでもそういう要素はありますが、オカズの量が膨大すぎて埋もれてしまいがちです。

バブル世代の自負

 インタビューページで俳優の宮川一朗太さんが言うには、この世代の男性はいろいろあっても「何とかなる」「何とかできる」という自信があるのだとか。すごい肯定感!  彼らを含むバブル世代の人たちは自己肯定力が強いなぁと感じることは、仕事をしていてもしばしばあります。その根拠として宮川さんは、なんと、

「僕たちの若い頃って何をするにも自分で調べて行動してきたじゃない? たとえば『女性の体はどうなっているんだろう』っていう時も、ネットがないから大変な情報を集めて」

 と、先述のような、いかにも少年らしいエロ体験をあげているのです。 もちろんこれは一例にすぎないでしょうが、性ファンタジーの量産がすごい勢いで進みながらも、少年たちにはまだ手が届かず、リアルな裸やセックスをひたむきに求めていた時代だったんですね。 セックスのリアルとファンタジーがわりといいバランス関係にあったのではないかと感じます。

 いまの昭和40年男が飛び抜けてすてきなセックスライフを謳歌しているとは思いませんが、こうした時代は二度とこないでしょうから、なんだかちょっとうらやましくも感じます。 いまの子ども~若者はファンタジーばかりが身近にあり、リアルな性とは距離があるのでしょう。

 もちろん〈若者のセックス離れ〉はそれだけでなく、景気や個々人の経済状況、人間関係の構築の仕方などなど、いろんな原因が複雑にからみあっての結果ですが、 とりあえず働く女性のせいや、グッズのせいにはするのはやめていただきたいですね。そうしたところで、なーんにも解決しませんから。

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プロフィール

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■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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掲示板

  • ラブドールとセックス(1)
    ラブドールと性行為してる動画ってありますか? どんな風にやってるのか気になって…(笑)
  • イク手前⁇(1)
    この前エッチしていたら、今までにない感覚におそわれました。 今までもとっても気持ち良くて涙が出ることもあったし身体がおかしくなりそうにもなっていたのですが、この前は、鼻水出るほど涙が勝手に溢れてきてとまらなくて、頭もぼーっとして、本当に変!と思いました。 気持ち良いけどやめてほしい!みたいな、、。これってイク前に感じるものなのでしょうか?人によって違うとは思いますが同じように感じた方いませんか?

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