【独り寝のお作法】

48.中国製のダッチワイフが古くさすぎる…これに欲情できるのはどんな人?


 ラブグッズの世界では中国市場の勢いが止まらない、という話をよく耳にします。人口や景気を考えると巨大マーケットであることは、ほかの業種と同じですね。 世界の名だたるラブグッズブランドも中国に工場を構えていることが多く、そのぶんすぐデザインをパクられたりはするそうですが、 それも中国国内のラブグッズへの関心が高いひとつの証左となっています。

 国内でもその一端を目の当たりにできますね。秋葉原界隈の大型ラブグッズショップに行くと、中国人観光客の姿を非常によく見かけます。 中国のショップ事情はまったく知りませんが、おそらくそれらのショップほど大型でオープンなものはないのでしょう。 AVからH系のコスチューム、バイブやオナホなどのグッズまで隈なく見て回る中国観光客、という光景はいまやめずらしくありません。

 そんな中国で「ラブドール」の生産がひときわ盛んになっている、というニュースを見つけました。 寧波市のある工場では、高まるばかりの〈ラブドール熱〉に応えるべく、日々大忙しでドールが生産されているのだとか。 しかし、写真を見たところ、そのドールというのが何ともレトロ!!



 ビニール素材で風船のように膨らませるだけ。 日本人からすると昭和テイストむんむんというか、いかにもダッチワイフというか、南極2号的というか、 とにかく顔の表情や肌の質感にまでこだわり抜いたオリエント工業のメイドインジャパン・ラブドールとは雲泥の差があります。 ボディにオナホールをセットする、という基本の使用方法は変わらないようですが、セット位置がおしりのど真ん中にあったり、作りがずいぶんと雑です。



でも記事にはこれが中国国内のみならず、日本、韓国、トルコにも出荷されているとあります。 こんなにチープな作りのラブドール、日本でも需要があるんだー……と思いますが、たしかに誰もがオリエント工業的な高額ラブドールを求めているとはかぎりません。

グッズに必要なものは想像力

 それどころかリアリティはいらないというラブドールユーザーも相当数いるようです。私が驚いたのは、以下の商品でした。



 パッケージには美少女(超ロリ系!)のイラストがありますが、本体は透明なただのビニール。 別売りで下着やコスチュームはたくさん用意されているものの、顔はないし、肌の質感云々は議論するのがアホらしくなるほど、無機質な作りです。 最初は「えっ、これで抜けるの!?」と度肝を抜かれたものですが、このakiちゃんが文字どおり無色透明な存在だからこそ、ユーザーは想像を広げられるんですね。

 私の好きな映画のひとつに『ラースと、その彼女』という作品があります。 やさしいけど内気で不器用な男性・ラースが、ある日ラブドールを購入。それからはどこに行くにも〈彼女〉と一緒です。 家族や職場の人、街の人にまで「僕の恋人です」と紹介してまわるものだから、みんな戸惑ってしまいます。 でも、ラースにならって〈ひとりの人間〉として彼女に接するうち、誰もが彼女を受け入れ、そしてやさしい気持ちになっていく……というハートウォーミング・ストーリーです。



 いや~、すっかり感動してしまいましたね。グッズをグッズたらしめているのは人の〈想像力〉なんだと実感いたしました。 グッズそれ自体は、ただのモノです。「そりゃそうでしょ、道具なんだから」と言われてしまえばそれまでですが、ここに想像が加わることで、 愛着を持てるし、モノが恋人になりうるし、だからこそ〈抜ける〉ようにもなる……。

 上述の〈ラブドールaki〉はあえて無機質にすることで、ユーザーの想像の幅を広げています。 これもオナホールをセットして使うものですし、物理的刺激は強すぎるほどあるわけです。でも、人はパンのみにて生きるにあらず。 そして、物理刺激のみにてイクにあらず。それは男女とも同じだと思うのです。 無色透明のビニールに美少女を想像して(ロリコンは反対だけど)いるからこそ興奮するのです。 オリエント工業のリアルなラブドールにしても、ただ「造形が美しい」と思ってハァハァする人よりも、 その美しい彼女と自分のあいだにある自前のストーリーにハァハァしている人のほうがきっと多いでしょう。 となると、さきほどのチープな中国製ラブドールも、使う人次第で可能性が無限に広がるということです。

 愛好家は、自分のもとに来てくれたドールをほんとうに大事にするといいます。「彼女が家で待っていてくれる」という気持ちにもなるそうです。まさに『ラースと、その彼女』の世界。 一般的には「キモい」と忌み嫌われそうな現象ですが、あの映画を見たら、そしてグッズを愛好するひとりとしては、そう馬鹿にしたものでもないと感じています。 想像力をひたすら豊かに広げ、誰に迷惑をかけるでもなくセックスファンタジーを楽しむという行為は、もっと尊重されていいと思うのです。

 私自身はバイブを擬人化して楽しんだことがありませんが、お気に入りのグッズに関しては相棒だと思っています。 それ自体に欲情することはなくても、その安心感でオナニーが捗ることはあります。一方で、SNSで女性から「タレントの○○くんを想像しながら使っています」という秘密を打ち明けられたこともあります。 単に〈道具〉として使うよりも、そのほうが楽しみが何倍にも増すことはいうまでもありませんね。

 道具を上手に使えるか否かは、その人次第。中国製ラブドールのレトロ感に微苦笑を誘われつつ、そんな教訓も得られた記事でした。

このコラムへのレビュー(1件)

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  • 2015/01/05 投稿者:匿名
      
    おすすめレベル:★★★★★

    仮出所アケミちゃんですね笑
    昔は南極観測隊の為の人形だったとか?
    お父さんが昔読んでいた週刊誌の裏表紙に、色んなダッチワイフが載っていたのを、結構鮮明に覚えています。
    それにしても、中国って何作ってもクオリティ低いんだな。

プロフィール

momoko

■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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  • 欲求不満(´・ω・`)(42)
    昨日旦那を誘ってみたけれど断られちゃった。ほんと傷つくわ。 睡眠より休息よりHが優先で、できることなら週2、3回はしたい私。1人でゆっくりお風呂入ったりテレビ見たりする時間が何より大事で、Hはなければないでいい旦那。 私が誘わなかったらそのままレスになっていくんだろうな。 あー毎晩求められて困るとか言ってみたいよ… とりあえず今日はご飯作りたくない
  • やっぱりそれが大事(3)
    コメントありがとうございます。 確かに好きな人=彼氏、旦那だけじゃないですね。 セフレや割り切った関係でも、その時はその人のことを好きなんだろうな、と思います。 私が好きな人=彼氏や旦那と考えるのは、相手も自分を好きでいてくれるだろう、という思いがあるからです。 綺麗ごとかもしれないけど自分を好きでいてくれて愛情持って抱かれるか、ただの性欲処理で抱かれるか、気持ちいいのは断然前者だと思います。 そんなの行為自体は変わらないじゃないの?と思われるかもしれないけど、私自身が経験したことで、結果的に遊ばれたけど、その時はその人が自分のことをすごく好きでいてくれてると思って抱かれた時は、すごく良かったし、自分の気持ちも高まりました。 でもこれが遊びと割り切って抱かれてると思ったら、躰は気持ちよくても、心のどっかで冷めた自分がいるんだろうな、と思ったからです。 ずいぶんワガママかもしれないけど、感情は自分の思いだけじゃなくて、相手が自分を思ってくれる感情も、大事ですよね。 まあ原人さんは仕事とはいえ経験人数7000人越えで、自分とは比べものにならないから、もっと深い考えがあるかもしれませんが。

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