【独り寝のお作法】

66.おしゃれコンドームで男性の意識は変わるか? 女性が変わるほうが早い!


 TENGAから新たにコンドームが発売されました。赤×シルバーの〈TENGAカラー〉で彩られたアルミパッケージを開けると……「わ、かわいいー♡」と思わず歓声をあげてしまいました。なんてポップ! こんなテイストのコンドーム、いままでなかったですよね。さすがTENGAさん、心憎い。

 男性用グッズからはじまったTENGAですが、irohaシリーズをはじめたときは、女性の心にそっと寄り添うようなデザインで話題を集めました。生活空間にあっても違和感のないたたずまいで、それはすなわち日常的に、そして気負うことなく、こうしたグッズを楽しんでほしい。引いては、女性である自分をハッピーにとらえてほしい……というメッセージだと私は感じました。この突き抜けて明るいコンドームにも、こそこそ隠すんじゃなくて堂々と持ち歩こうよ、カップルのあいだで明るく前向きにコンドームの話をしようよ、というメッセージが見て取れます。このメッセージ自身は目新しいものではありませんが、デザイン性の高さに説得力を感じます。

 望まない妊娠や感染症を防ぐための、最も廉価で手軽な手段であるコンドームですが、一方で〈快感の邪魔をする〉というイメージがあります。単純に肉体的快楽でいうと、そりゃナマのほうが気持ちいいですよね。女性もそれに異論がある人は少ないと思われますが、ナマでするのは〈快感〉よりも〈リスク〉に気持ちが持っていかれ、ハラハラします。一時の快楽を優先したがために失うものが大きすぎると考えると、コンドーム着用は当然の選択ですが、男女間で背負うリスクに差があることや、「自分は大丈夫」という根拠のない思い込みから、ナマ派が決してマイノリティにならないからおそろしいことです。

 ピルを使用し、決まったパートナーと、定期的に病院で感染症チェックをしながらセックスライフを送る。これならリスクはだいぶ解消されます(私はそうしています)が、さまざまな事情によりピルを飲めない人もいるし、おまけに高額だし、お手軽さでいうとコンドームは最強! こんなこといまさら私がいうまでもありませんが、昨年、「ウルサイと思われようと、コンドームはちゃんと着けようというのがオトナの義務」と考えるにいたったので、あえてくどくど書かせてもらいました。

日本のコンドームはすごいけど…

 そんなわけで、コンドームに求められるのは、〈いかに快感をさまたげないかと〉ということです。外身より、あくまで中身。私はかつてヨーロッパに旅行したとき、ドラッグストアに並ぶコンドームのパッケージがかわいかったので、自分用&お土産用にいくつか購入したことがあります。でも、帰国後にいざ使おうとしたところ、まるで指サック! 紙をめくるときに便利な、あの事務用品ばりの分厚さで、中でどれほどゴワゴワとした異物感をもたらすだろう……と考えると、これを使ってセックスする気になりませんでした。

 日本のコンドームメーカーがいかにすばらしいか、ありがたみをひしひしと感じたのが、いまから5年ほど前のこと。そこから国産コンドームはさらなる進化を遂げ、2013年には2社から0.01mmという驚異的な薄さのコンドームが発売されました。この企業努力、ほんとうに頭が下がります。ただ、「まるで着けてないみたい!」に惹かれて、いままではナマ派だったけど、じゃあコンドームをちゃんと着けようと思う男性がどれほどいるのか……という疑問は残ります。それまでもちゃんと着けていた人にとって選択肢が広がり、「どうせ着けるんだったら、こっちがいいよね!」となっただけではないでしょうか。

 機能の進化でもそうなのだから、パッケージがおしゃれになったぐらいでコンドームの使用率って上がるの? と考える方もいるでしょう。こんなことで、避妊や感染症予防への意識って変わらないんじゃないの? と。

 私もそう思います。だってコンドーム、ただの〈モノ〉ですもん。コンドームにしろアダルトグッズにしろ、その存在だけで人の行動様式を変えるモノというのは、そうそうありません。アダルト以外のジャンルでも、きっとそうですよね。モノは、人に〈変わるきっかけを与えてくれる〉までしかできませんが、だったら使う側が意識して変わればいいんです。そして、変わるか変わらないかわからない男性に期待するより、女性自身が変わるほうが手っ取り早いと私は考えています。

男はおそらく変わらないから

 コンドームは〈男性主導の避妊法・性感染症予防法〉です。男性が装着するものであり、そもそも彼らに着ける意志がないと成り立ちません。女性が無理やり着けることは不可能……それで萎えられても困ります。自主的につけない男は、パッケージがいくらおしゃれでも着けない。でも、ここでTENGAからのメッセージ(私の勝手な解釈ですが)である「カップルのあいだでも明るく前向きにコンドームの話をしようよ」を女性から実践すると、変化が生まれるのではないかと思うのです。

 「はい、あなたの好きなTENGAがコンドーム作ったんだって。せっかくだから使ってみようよ」でも、「ねえねえ、このなかで好きな柄ってどれ? あ、じゃあ今夜はコレ使ってみようか!」でも、なんでもいいのです。使うor使わないではなく、「どれを使うか」を考えさせる。そして、自分で選んだものだから使っておこうかなという気にさせる……と、とんとん拍子にうまくいくとはかぎりませんが、いまここに、これまでの既存品と比べてずっと会話を生みやすいコンドームが登場したのです。まずはコミュニケーションツールとして賢くスマートに利用し、そこから避妊へと転じてみませんか?

 余談になりますが、先週ご紹介した『セックスと恋愛の経済学』では、伝説のモテ男、カサノヴァはレモンで避妊をしていたという逸話が紹介されていました。なんでも、レモンの皮をペニスにかぶせてコンドーム替わりにしたとか……えっ、ほんとに? それで避妊になるわけもないし、そもそも挿入できなくない? この本を書いた経済学者さんは、「どんな無茶をいっても女性が首を縦にふってしまう、カサノヴァの魅力あってのことだろう」というような解釈していましたが。、カサノヴァが生きた18世紀ならいざ知らず、21世紀の女性は相手がいくらいい男でも、そんなデタラメをいう男には断固「NO!」といいましょうね。自分の身を守るのは、自分です。

 ……さて、このコンドーム、TENGAさんから送っていただいたのですが、まん○画太郎さん(漫☆画太郎から改名されたんですね、知りませんでした)とのコラボTシャツも同梱されていました。



 これ、どうしよっかな。Tシャツが超絶似合わないのですが、せっかくなので今週末開催のレインボープライドにでも着ていきますかね。

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プロフィール

momoko

■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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