【独り寝のお作法】

68.温泉にスパ銭に…体型コンプレックスを克服して、裸のつき合い三昧!


 いまとなっては大きなお風呂が大好きで、帰省するたびに「あそこのお風呂に行こう」「きょうはこっちにしよう」と家族を連れまわしていますが、思春期から20代の前半ぐらいまでは自意識が邪魔をして、親と一緒にお風呂に入るのがとてもイヤでした。裸を見られたくない一心で家族旅行をボイコットしたり、行ったら行ったで、なんとか時間をズラして入ることに知恵をめぐらせたり……。期間の長短はあるにしても、この感覚、多くの人にわかってもらえるのではないでしょうか。当時は親や、そこに居合わせた他人がみんな自分の裸をじろじろ見て「スタイル悪いな」「みっともない裸だな」と値踏みされているような気になっていたのです。明らかに自意識過剰です。

 それを克服し、いまのように裸を神経質に隠すこともなくお風呂を楽しめるようになったのは、スポーツクラブ通いがきっかけでした。私はジムに通う目的として、運動のみならず、サウナやジャグジーにも大きなウェイトを置いています。これまでにもいくつかの施設の会員になりましたが、そちらの設備が充実したところを選んできました。が、当初はサウナに入るにもバスタオルで必死に身体を隠していました。

商品化された女体ばかり見てきた

 その裏には、「私の裸は素敵じゃない」という思い込みがあったのです。子どものころから「痩せているほうがかわいい」「毛深いのは恥ずかしい」「脚が短いのはみっともない」と数々のコンプレックスを抱えていました。これは私にかぎったことではなく、早い子では小学生のころからファッション誌を読み、同世代のモデルちゃんたちのすばらしいプロポーションを見てきた現代を生きる女性なら、ごく一般的な経験でしょう。

 おとなになったらなったで、世の中にあふれるポルノグラフィを男性と同じように見るようになります。するとボディラインだけでなく、乳首の色や乳輪の大きさ、アンダーヘアの濃さまで気になってきます。「自分は自分、他人は他人」と思えないのは、自意識で頭がいっぱいになっている思春期の特徴のひとつなのでしょうが、それをオトナになっても引きずりつづけたわけです。

 でも、サウナに通うになって気づいたのです。誰もがふり返るほど美しいプロポーションの人なんてそうそういない、と。胴が長めな人も、胸がぺったんこの人も、アンダーヘアが黒々と生い茂っている人もいて、〈完璧!〉と思える人は滅多にお目にかからないのです。

 逆にいうと、モデルやグラドルやAV女優になっていた人たちは、そこが整っているからこそ「商品になる」とみなされ、そうした媒体に出ているのです。彼女らはたしかにパーフェクトとなのかもしれませんが、かといって一般の人が醜いとか劣っているとかいうことはありません。みんな、長所もあれば短所もあり。それが〈フツウ〉ということだ、と自分のなかで腑に落ちたのです。それから頑なに身体を隠していたバスタオルを、自然に外すことができました。

 なかには、ものすごくストイックにジムに通いをしている女性もいます。世間でいうところの〈美魔女〉に相当する人たちです。脂肪率の低い身体といい、サウナ後の入念な肌のお手入れといい、美を追求する姿勢は見ていて頭が下がるばかりです。が、それと同時に「性のにおいがしない」と私は感じます。崩れたところのない身体が〈隙〉のなさにつながるのかもしれません。男性に評価されるためではなく、自分が好きでいられる自分の身体を手に入れるためにジムに日参する姿は、まるで求道者です。

銭湯が教えてくれていたこと

 かと思えば、私が通っているジムでいうところの〈お風呂会員さん〉……エクササイズ施設は使わずお風呂目当てで会員になっている人のなかに、ハッとするほど性のにおいをまき散らす人がいるから不思議です。運動しないだけあって、いわゆるオバちゃん体型。プロポーションだけで判断するなら、もう男女の色ごとから遠ざかっていそうなのに、なぜか色濃い性のにおいがするのです。一度なんて、おしりに歯型をつけたご婦人(THE オバちゃん体型の)をお見かけしたことがあり、どんな激しいプレイをすると、あんなにくっきり噛まれた痕が残るのかしら、とドキドキいたしました。

 いまでも一部の人にこよなく愛されていますが、かつて「銭湯」といえば老いも若きもがそこに集い、1日の汗を流す場所でした。そうすると、いろんな体型の人を目にします。加齢によって身体がどう変化していくかも目の当たりにします。だからこそ、「いろんな体型の人がいる」ことも、「いつまでも若いときと同じ身体ではいられない」ことも、自然に受け入れられたのだとか。

 これも江戸しぐさのような〈エセ伝統〉なのかもしれませんが、納得できる部分もあります。私たちが目にするのは圧倒的に〈リアルな裸〉ではなく、〈商品化された裸〉です。プロポーションがいいからこそマネタイズできるそんな裸を見てコンプレックスを募らせるよりも、「誰もが身体でチャームポイントもあれば、好きになれないところもある」「年をとれば胸も下がっておしりは四角くなる、いろんなところに贅肉がついていく」……そんなものだと思っているほうが、はるかに人生が楽になりそうです。

 もちろん、努力によっていくつになっても若々しいプロポーションを維持する心構えはすてきです。でも、完成度の高いプロポーションばかりを称賛するのは、やや息苦しいように感じます。「すべての体は美しい」までいってしまうと、きれいごとすぎるかもしれませんが、せっかく日本には赤の他人と一緒に湯に浸かるという温泉文化があるのです。お互いに肯定しあい、認め合うほうが、きっとその文化を楽しめますよね。

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プロフィール

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■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

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掲示板

  • ラブドールとセックス(1)
    ラブドールと性行為してる動画ってありますか? どんな風にやってるのか気になって…(笑)
  • イク手前⁇(1)
    この前エッチしていたら、今までにない感覚におそわれました。 今までもとっても気持ち良くて涙が出ることもあったし身体がおかしくなりそうにもなっていたのですが、この前は、鼻水出るほど涙が勝手に溢れてきてとまらなくて、頭もぼーっとして、本当に変!と思いました。 気持ち良いけどやめてほしい!みたいな、、。これってイク前に感じるものなのでしょうか?人によって違うとは思いますが同じように感じた方いませんか?

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