【愛人の掟】

4. 富裕層に愉しみを提供する愛人斡旋業という仕事


 愛人斡旋業を行っている会社は、都内だけでなく全国に存在する。「交際クラブ」「デートクラブ」という、なんとな~く濁した言い方をしている会社ばかりだけど……ま、実際やっていることは愛人斡旋だ。

 女性会員は写真や動画を撮影してプロフィールと共に会員専用ページに掲載され、男性会員が女性会員を選んで、会社に連絡する。お互いの都合を会社を通してやり取りし、デートの日時を決めて、会った後は個人の自由だ。お茶のみなのか、そのままホテルへ行くのか、連絡を取り合い関係が継続されるのか、割り切りなのか……全て会社は干渉しない。

 売春斡旋と何が違うのか? そんなに差はないように思えるが、斡旋後、愛人関係を継続するための「お手当」の金額交渉に会社がタッチしないという点が、大きく異なるのではないだろうか。

 また、女性によって「最初のデートでどこまでOKか」や「交通費と称したお小遣いの金額」は違う。「交通費」はお茶のみだった場合でも最低5千円は絶対に支払う規則がある。男性が会員になるには相応の身分を証明できるものが必要であり、会社によっては面会も行わなければならない。なので、その辺の安いサラリーマンや汚いオッサン、土木業などの会員はまず皆無である。

 男性は入会金(3万円~30万円)と最初のデートのセッティング料(2万円~10万円)を支払わなければならず、女性との食事やホテルなどのデート代もかかれば「交通費」と称するお手当も支払うので、当然サラリーマンの月30万ほどの収入では厳しい。結果的に富裕層の男性が多く集まってくる。

 会社へ支払う料金に5~10倍もの差があるのは、紹介する女性のランク次第で金額が変わってくるからだ。会員女性は現役の大学生から、OL、ナース、美容部員やキャビンアテンダントといった専門職、モデルやタレントの卵からAV女優まで多種多用。愛人斡旋会社側が、登録女性をスタンダード、ゴールド、プラチナ、ブラック、VIPなどとランク付けし、男性は支払う料金によって選べる女性の幅が変わる。


 レベルの高い女性とのデートをするにはレベルの高い収入がなくてはいけないですよ、と入会した時点で思い知らされるわけだから、男性は本当に収入のみでジャッジされるということよね。

「自分好みの素人女性と出会いたい、若くて可愛いひとりの女を囲いたいと思って交際クラブに登録している富裕層がほとんど。気に入った女性がいたら自然と愛人契約という話になっているそうです」(交際クラブ関係者)

 そりゃそうね。最初のデートを一回するのにセッティング料を何度も払うのであれば、風俗に行った方が安いもの。

 東京都内で交際クラブとして運営するためには、都条例の「デートクラブに関する条例」に基づき、所轄官庁に届出をして運営しなければならない。そのため、東京で運営している交際クラブは顧客情報管理やスタッフの採用基準など、厳しい基準をクリアしているということができる。 もちろん身分証明書の提示は絶対に行うし、年齢が18歳以下だったり高校生などは絶対に登録できない。女性も容姿の審査基準に達していなければサイトに掲載されないし、男性も高収入であるか、既に会員の男性の紹介がないと登録できない。

 先述したように、クラブの最初の仲介以降は、個人の自由な連絡のやりとり、付き合いが自由にできるシステムだ。風俗だったら毎回店を介さなければ会えないし、出会い系サイトで知り合った場合でもそう簡単に愛人契約を結べるものではないため、愛人関係を求める男女にはこういった愛人斡旋会社が重宝されるのだろう。

 「最初のデートで会ってすぐにこの子じゃないと思ったら、お茶代と5千円の『交通費』のみで帰して、またすぐに他の子とのデートをセッティングする会員様も多くいらっしゃいます。本当に気に入った子に出会うまでセッティング料を払い続けてくれるわけですから、こちらとしては有難いですね。彼らからすると微々たるお金でしょうけど……。最終的にどの子を選んだかをこちらに報告していただく義務はありませんが、高額での愛人契約を持ちかけられた女性会員はすぐにプロフィール削除依頼を出すから、『ああ、この子、先日の会員様と契約したんだな』とわかりますね」(交際クラブ関係者)

 時間とお金に余裕があり愛人を探す富裕層の男性にとっても、普段知り合う機会のない高収入の男性と出会いたい女性にとっても、こういった会社がいかに画期的なシステムとして機能しているか、おわかりいただけたかしら。

 私は登録しないのかって? わざわざそんなことしなくても私は愛人にならないかというお話はいただくし、普段から富裕層の男たちが周りにいるもの。こんなクラブに登録したら、すぐに「プロフ出てたよ」って見つかりそうで怖くて登録できないわよ。

 まぁ、いくらで交渉されたところで私は自分が気に入った男としか身体の関係を持たないわけだから、相手を気に入らなければ愛人話には乗らないわね。私が気に入る男は、食事代も私から受け取るようなカスだったりすることもあるんだけど……。いい男が周りにたくさんいるのに、逆にそういう男に惹かれることもあるから不思議よね。もちろん、よっぽどじゃないとそんな男と並ぶのなんか恥ずかしくて御免よ。男は「財布は持ち歩かなくていいよ」と言ってくれるくらいの甲斐性がないとね。

 愛人斡旋業についてのシステムは大体おわかりいただけたかしら? でもこんな説明だけじゃ、実際の会社なんて謎だらけ。登録したい読者がいたとしても不安よね。

でも、安心して頂戴。こんな浅い調査だけじゃないのよ。次回、スペシャルな潜入記事を掲載するわ。

(アスモデウス蜜柑)

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