【短期集中連載:必殺・裏仕事人】

2.常に刺激にまみれていたい…身体改造パフォーマーは普通コンプレックスの塊


 「日本のディープな場所で働く男女」に注目する本連載。初回は、いわゆる身体改造を行っており、 それをパフォーマンスとして観客に見せる仕事をしている私の友人のカナエ(26歳・仮名)にインタビューしたわ。

 カナエの身体には豪快なタトゥーが入り、自ら舌に切れ目を入れ、蛇のように二股に舌を割ったスプリット・タンにしている。 ショーの目玉である「ボディ・サスペンション」の実演モデルを生業としており、カラダには生傷が絶えない。 「ボディ・サスペンション」とは、人体の皮膚に直接フックを通して吊り下げるもので、想像するだけでも痛い。カナエの痛覚は一体どうなっているの??

性に受け身な姿勢…過激パフォーマー・カナエ(26歳・仮名)

「小さい頃から根本の性格は普通だったし、普通すぎる家庭に育って。 周りに多才な人や感性豊かな人が多かったから、それがずっとコンプレックスだった。 それをこじらせすぎて気狂いぶりたくなってから、私は今の私になったと思ってる」

 そう語るカナエは、彼女は私の飲み友達のひとりである。幼さの残る可愛らしい整った顔立ちをしている。 20代後半にさしかかっているのに20歳前後にしか見えない。あぁ羨ましい!

 おっとりした口調で刺激的なことを語る彼女が、一見、アングライベントでサスペンションのパフォーマンスをするようには到底見えないであろう。

「仕事関係の人たちと話していると、みんな頭おかしい部類の人たちなんだなーって思う。 この仕事以外の普通の人と話すことのほうが多いから、どっちに合わせなきゃいけないか考える時点で、私はまだ頭がおかしくなりきれてないんだよね。 そして本当の頭がおかしい人、ってものへの憧れが強い」

 舌先が二枚に割れたスプリット・タンである彼女の舌は左右バラバラに器用に動く。 初対面でそれを見せてもらった時に、彼女に対する好奇心が高まり、私はカナエを飲みの場に誘うことが増え、実際にパフォーマンスも見に行った。

――私からすると、舌がふたつに割れている時点でおかしいんだけどね?

「これは好奇心でやっただけ。やりたいと思ったら後先考えないでやっちゃうんだ。 スプリット・タンも派手なタトゥーも、生きていく上で必要なものじゃないし、むしろ邪魔なものにしかならないというのはわかってるんだ」

――パフォーマーになろうと思ったのも好奇心?

「そうだね、楽しくやれてる。仕事というよりも道楽だと思ってるよ。それが仕事になってるだけ。 これでずっと食べていこうとは思ってないから、やれてるんだと思う。楽しいからって理由だけ」

――今だけっていう割り切りだからこそ楽しく仕事になってるって感じ?

「そうじゃなかったら、もっと気狂いぶってると思う。今は楽しいからやってるけど、楽しくないと感じたらパッとやめれる」

――パフォーマーをやる前は何の仕事をしていたの?

「AVだよ。4年くらい、M女モノがメインでいろんな作品に出たかな。 AVの仕事も好奇心から始めたけど、その世界に慣れて刺激がなくなったと思った時点で何の未練もなくやめた」

――仕事に慣れることがイヤ?

「イヤ。その環境に慣れて留まって、平和に過ごすことって一番つまらない」

――パフォーマーを仕事にしようと思ったきっかけはなんだったの?

「私、性欲が強くてセックスそのものが生きる気力だと思ってるんだけど、遊びでハプニングバーによく出入りしてて。 そこでアングラなショーを主催してるようなイベンターと仲良くなって、お客さんとして誘われた流れでそういう仕事を知って」

――最初はお客さんだったわけね。

「そう。AVの時に散々やってたからか、縄で縛られたりするパフォーマンスを頼まれた時は、なんとな~く時々出たりもしてた。 AV辞めて何もやってない期間は刺激が足りなくて、まぁいいかなって、軽い気持ちで」

――縄で縛られるのと身体を傷つけるボディ・サスペンションの壁ってかなり厚くない?

「そうだね。ショーを初めて見た時は『ゲー! エグイー!!!』って思ったくらいだったし、まさか出るようになるとは思わなかった」

――私も見に行った時は異空間すぎて衝撃を受けたわ。サスペンションの入り口はどこからだったの?

「サスペンションの入り口は、私がたまたま見に行ったショーの最後の目玉がサスペンションで、ついにもうすぐ大目玉のサスペンション!  って時になって、急に主催の人に裏に呼ばれて『モデルが飛んだ』って言われたことから」

――その場で頼まれてすぐ出ちゃったの!?

「うん、そういうショーってさ、深夜から始まるから、もうラストのパフォーマンスとなると夜中の4時頃になっているわけ。 『今から代わりを探しても捕まらないから、やってくれないか』って泣きつかれて。 困ってるならやってみようかなって思ってやったのがきっかけで……それからどんどん頼まれるようになった」

――そんな簡単にやろうと思えること!? 身体中にフックを通して傷つけるし……痛いし、痕も残るでしょ??

「痛いけど、傷とか痕とかはあんまり……そういう自分の身体への執着がない。どうせ治るでしょって思うし。 そうそう、スプリット・タンも、舌を焼いて火傷させちゃえばくっつくから治るんだよ」

――身体を傷つけることに抵抗がない?

「うーん、さっき話した通り、やってみようと思ったらまずやっちゃう。抵抗はなかったなぁ」

――それで、イベントに出始めたわけだ。もう始めてからどのくらい?

「3年くらいかな。イベント自体は不定期だし、毎日あるわけじゃないからそんなに時間経ってるって実感はないけど」

――多い時でどのくらいなの?

「月2回とか。でも全くない月もある」

――じゃぁパフォーマーの仕事だけじゃ普通に生活するのも厳しいわよね?

「無理無理。それで生活はできない。だからスポンサーがたくさん……3人は常についてる。 一発10万でセックスしてお金もらったりもするし、ご飯食べにいくだけでお小遣いくれたりする人が絶えない。 どうやってそんな人見つけるの? って聞かれると、自分ではどうしてかわからないけど、最初からそういう契約での紹介を友達からされる」

――前に 愛人生活の特集をしたことがあったけど、常にそういう人が絶えない子っていうのは凄いわよね。 援助したい人も嗅ぎ分ける能力があるのかしら……。私、全然こないんだけど。

「蜜柑ちゃんもいくらでもいそうなのに~。ひとりでも生きていけそうなオーラあるからじゃない?」

――それはよく言われるわ……。正直ギャラはAVとどっちがいい?

「AVのほうが断然いいね。あくまで好奇心だから、あんまりお金のことは気にしてやってない。 ショーに出るよりも、海外のアングラなテレビとか雑誌とかの取材受けたほうがお金はたくさんもらえるくらいだもん」

――でもパフォーマーをやるためにAVを辞めたわけじゃないのよね?

「AVは18歳~23歳までやって、事務所にも貢献したしお金も貯まったし、刺激がなくなって飽きたと思った時点でスッパリ辞めた感じ。 ……まぁ、好きじゃなかったらAVもパフォーマーもやってない。基本好きじゃないことはやらなくていいと思ってるから」

――あくまで趣味のひとつって感覚ね。

「ショーは出てて気持ちいいし刺激になってるからやりたいけど、刺激の要らないロハスな生活を望むようになったら多分もう出ない。 今はまだちょっと気狂いぶってたい気持ちが強い」

――……ぶってたい、っていうか。 一般の人は改造も身体傷つけるのを見世物にするのもやりたくない人のほうが圧倒的に多いわけだから、全然普通じゃないわよ。

「えー、かなり普通だよ? 私“普通コンプレックス”が本当に強いから、普通の人の気持ちはよくわかる。 仕事が変わってるのはわかるけど、性格も普通すぎるくらい普通だし、性癖もないし」

――性癖はMなワケではなかったの!?

「言われれば複数だろうがアナルだろうがどこまででもできるけど。 常に受け身だから何でもできるってだけで、これがしたい! されたい! ってことはない。チンコ入れて出すだけでいい。セックスは好きだけど」

――縛られたりすることにも興奮はしない?

「興奮しろって言われたらできるけど……言われたことはできるっていう、その程度」

他人に驚かれることで興奮と快感を覚える

――パフォーマーになってから付き合った彼氏たちは何も言わなかった?

「その間ちゃんとお付き合いをしたのはひとりだけだけど、『痛そう~』くらいにしか言ってなかったなぁ。 私も仕事の話はしなかったし、辞めてくれとかは一切言わない人だった」

――今はその人とは……

「別れてるよ。ヨリを戻して結婚しようってしつこく言われてるけど、今はキープしつつ他の人とも遊んでる。 セックスは趣味みたいなものなのに、結婚して縛られる生活なんて考えられないー!!……といっても最近はお金が発生しないとそんなにヤってないけど」

――セックスは趣味ってわかるわ~。その趣味のうちのひとつであるパフォーマンスの仕事をしてても、嫌なことってある?

「集中力が切れたとき。自分に酔ってるから気持ちいいものなのに、邪念で集中が切れると痛いだけだし。 でも自己陶酔しちゃうから、あんまり嫌なことは思い浮かばないかな」

――傷つけられて吊るされること自体が気持ちいい?

「いや、痛いことが楽しいんじゃなくて、屈辱的なことをされてるのを人に見られてることが気持ちいい。 観客が凄く驚いた顔をしたり嫌悪感出した顔をしたりうっとり見てたり、いろんな表情をしているのを見てるのが楽しい」

――人の反応があってこそってことね。

「私がやってることって、小っちゃい子供が大人をビックリさせて喜んでるのと同じなんだよ。 私を見てビックリしてる周りの人たちの顔ですごく興奮を覚える」

――じゃぁ今後それが何か別な形で見つかったら……

「そっちに移行すると思う。AVの時みたいに、今のことは飽きるまでなんだろうな。慣れてる感が出てドキドキしないなら意味がない。 AVの時に仕事に慣れてからは、仕事を『こなす』、『こなれてる』って感覚の自分が気持ち悪くなってた」

――安定したくないって気持ちはわかるかも。

「緊張感を持って常にやってたいのは、仕事もプライベートもそう。常にドキドキしてることが生きてる実感。それが興奮に繋がる」

――今の仕事でもドキドキを求める欲求を満足させられなくなったら、その後カナエがどうなるのかが末恐ろしいわ……。

「今この世界にダラダラ居続けてるのは心地いいけど、何度ショーに出ても慣れはしないんだよね。 ステージに立つと緊張するし面倒な人間関係もあるし、ゲロ吐きそうなくらい混乱する時もある。でもそれが私にとってすごく気持ちいいんだ」

――そっか、今でもひとつひとつのショーの度に緊張してるってことね。

「日常なんてほとんどが平凡でしょ。仕事以外で楽しいこともドキドキすることもあるけど、そこまで自分を緊張させてくれるものは今ないから。 それが続いてるから不思議。追いつめられる感が好きなんだろうな」

――生粋のMな発言よ、今の。

「ここで今私が逃げたらどうなるんだろう……とか想像しながら出ると、すっごい濡れる」

――(笑)

「実は人に見られるってこと自体が結構苦痛だから、それに慣れることはないのかもしれない。苦痛が私にとっての快楽」

 カナエの話が面白すぎて、とても今回じゃ書ききれないわ。すごく刺激的な話じゃない?  インタビューした話が、まとめてもまとめてもまとまりきらなくて困っちゃう。

 自分を普通だと言い張る彼女だけど、「常識的な考え方も理解できる」だけのことであって……全く普通じゃないことに気付いていない。 ちなみに“普通コンプレックス”というのは私にもある。だからこそ変わった人に魅力を感じるし、カナエにも興味が尽きない。 私も、普通の生活も安定も望まないのだ。常にドキドキしていたいわ。

 次回はそんな彼女の人生観と、過激パフォーマーというものへの考察を読んでいただくことにするわね。 案外、M女とは程遠い蜜柑様との共通点も多々あったのよ。乞うご期待。

(アスモデウス蜜柑)

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