【ソウルの男と女】

8.酔ってはしゃいで、気がつくと…ソウルでクラブデビューした女子の悲惨な顛末


 ソウルの江南(カンナン)や弘大(ホンデ)にあるクラブは日本人女子率がとにかく高い! 旅行中の人気読モから、読モ風味な女子、すっかり韓国ナイズされちゃってる留学生などタイプはさまざまだが、意外と多いのが、韓国で初めてクラブに来たデビュー組。日本では「私なんて……」とためらって行けないクラブも、韓国なら「私だって!」となるのだろう。

 クラブデビューちゃんたち、「ロッテ免税店」や「MISSHA」と書かれた買い物袋をぶらさげたまま、あるいは丸めた「るるぶ」を片手に、「あった~、ここ、ここ!」とクラブの前で記念写真を撮った後、うれしそうに中へ入っていく姿を見ていると、ここがカンナムで一番ホットなクラブだということを忘れてしまうほど、ほのぼのとしている。

 そんな“観光客丸出し”でクラブにやって来る日本人女子だが、フロアではなかなかの攻めファッションだ。普段はきっと隠しているに違いない二の腕を思いっきり出したノースリーブのワンピースに、ジャラジャラと飾りがいっぱい付いた10センチのハイヒール、ボーナスで奮発したひと粒ダイヤのネックレスに、大事なパスポートを入れたキラキラビーズのポシェットを斜めがけ。

 所持金は5万円弱。それじゃアパートも契約できないじゃん! 「家は日本にいるときに見つけたの~」と舌足らずなしゃべり方で話すシャネルちゃん。聞けば出会い系サイトで知り合った男の家に暮らしているという。

 週末になるとこのファッションがクラブに大量発生。みんな似たようなデザイン、似たようなカラーのワンピースを着ているのが、もしかして「るるぶ」かどこかに「ソウルのクラブはこのファッションで攻めろ!」とでも書いてあったりして? とにかく相~当~の気合が感じられるが、でもそんな女子たちのスカート丈がイマイチ中途半端な膝丈だったり、履き慣れないヒールで足が痛くなってフロアの隅っこで足の指を伸ばしている姿はなんとも微笑ましい。

 韓国初日、迎えに来てくれた空港で彼と初対面。「写真とはやっぱり印象違ったし、背も思ったより低くて驚いたけど、悪い人ではなさそうだった」とシャネルちゃん。いやいや、向こうだってあなたを見て多少は驚いたはずよ。がっつりノーズシャドーの歌舞伎メイクと、ミニスカートにハイソックス姿の、いい年をした女性なんて、韓国にはいませんから(笑)。

 足の指を「グーパーグーパー」伸ばしてまでもクラブにいる理由、それはやっぱり韓国人男子!! 仲良くなって、イチャイチャして、気持ちいいことしてみたい。せっかくの旅行だし思う存分楽しむのは大賛成だが、ただあまりにも我を忘れてはしゃぎまくった結果、悲惨な目に遭う女子は後を絶たず……。さすがに以前紹介したような「4人の男に輪姦(まわ)された……」なんて出来事は頻繁じゃないにしても、ソウルのクラブでは日々何かしら日本人女子が事件に巻き込まれていたりする。

Hしてもよかったのに…

 リエちゃん(仮名)は27歳、地方在住の事務系OL。同僚と2人で来た韓国旅行の初日、ベージュのノースリワンピに、キラキラビジューのサンダルを履いてカンナムのクラブへGO!! ちなみに2人とも韓国は初めて、クラブに行くのも初めて。友達から教えてもらったとおり、まずはクロークバッグを借り、そこに2人の荷物を詰め込んで、それをクロークスタッフに渡したら、いざフロアへ! 派手ではないが美人さんの2人は、クラブに着いてすぐに2人組の韓国男子に声をかけられたそう。

「声をかけられたってよりは、いきなり後ろから抱きつかれたの。顔も雰囲気も普通。歳は20代じゃないと思う。カタコトの日本語がかわいかったし、テンションも高くて面白かったから一緒に飲んだの」

とリエちゃん。踊って、飲んで、騒いでるうちに、ふたりはいつもより早いペースで酔っ払ってしまったそう。

「べろんべろんじゃなくて、少しフラフラしたくらい。でもせっかくだし、男の人たちも悪くなかったし、ほかに行かれちゃうのもイヤだったから飲み続けたの。テキーラ飲んで乾杯して、ひとりとソファでキスしたこととは覚えてる」

 クラブを出て次の店に行くことなり、預けていた荷物を受け取ったふたり。ここまではよかった。事件はこの後に起きてしまう。

 リエちゃんたちが「ちょっとトイレに行って来る」と言った間に、韓国人男子2人組がどこかに消えてしまったのだ。それもただ消えたんじゃない! 彼女たちの大事な大事な荷物と一緒に……。

「まさか男の人たちがいなくなったなんて思わないから、クラブ中を探し回って。そのうちに、あれ、もしかして? って思い始めた。でもまだ酔っ払ってたし、自分たちの荷物が無くなったことに気がつくのはその少し後だったけど、気がついてからは大騒ぎ! だってカバンとコート、カバンの中には財布やパスポート、化粧品が入ってて、2人の現金を合わせると100万ウォン(=約10万円)、日本円も10万円以上入ってたし、クレジットカードも、免許証も、全部盗られたんだから!」

 クラブのスタッフにカタコトの英語で事情を説明するが、伝わったのか、伝わらなかったのか、それとも「俺らに話されてもな……」だったのか、とにかく相手にしてもらえず、2人は大声をあげてキレまくった。偶然居合わせた日本人留学生が警察に連絡するも取り扱ってもらえず、納得のいかない2人はさらに大騒ぎし、結局クラブから出されてしまう

「後から考えればあそこまで騒いだのは大人気ないけど、あのときはああするしかなかった。だって言葉の通じない国で、いったいどうしたらいいのかわからなくて……。コートも盗られたから寒空にノースリーブで、クラブの周りに荷物が捨てられてないか探したけど、ハンカチ1枚もみつからなかった。ホテルまで行きたくてもタクシーに乗るお金もないし、日本の人に借りてなんとかホテルまでは戻ったけど、寝る気になんてなれるわけない。朝になって大使館に連絡が繋がったときは、2人とも涙が出てきた」

とリエちゃんは振り返る。

 韓国人男子が最初から彼女たちの荷物を狙って近づいたのかは分からない。「正直にいうと顔もしっかり覚えてない。やさしい振りして、どうせ裏ではバカにして笑ってたんでしょ。同僚の子とクラブのトイレで『どっちがタイプ~?』とか話してたのを思い出すと笑える。あのときは2人とも、Hするならしてもいいって思ってたし。男の人たちを信用して荷物を預けたんじゃなくて、酔っ払って、浮かれて、荷物のことなんて気にもしてなかったの」

 最初に同僚に「クラブに行こう」と提案したのはリエちゃん。

「盗られた彼女のバックは買ったばかりのサンローランだし、いろいろ申し訳なくてバック代と旅行代を弁償するって言ったけど、彼女から断られたの。会社の人に聞かれても恥ずかしくて言えないし……」

 最後にリエちゃんは目に涙を浮かべながら、「クラブになんてもう二度と行きたくない」といった。リエちゃんの最初で最後のクラブ体験、忘れたくても忘れられない苦い思い出になってしまったようだ。

 ソウルのクラブに日本人女子がワンサカいると聞き、週末にはわざわざ地方からやってくる韓国人男子も急増。カラダ狙い、お金狙いなんて人もいるようなので、くれぐれも羽目をはずしすぎて“すっからかん”にならないようにお気をつけあれ~。 

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■韓美姫(カン・ミキ)/韓国生活も5年を超え、さすがにサムギョプサルには飽きたけど、こってり甘いソースを絡めたチキン『タッカンジョン』は週1→2とペースがあがってるこの頃。最近のビッグニュースは、アパートの下にチキン屋開店!
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