【有屋町はる】

10. 菅田将暉くんへ一通のラブレターfrom人妻二児の母(34)

 先日、またしてもセックス紳士からおセックスのお誘いを受けました、二児の母の私です。
 不倫を躊躇する私に、紳士はこうレクチャーしました。

「不倫て(笑)。違うよ? これは夢だ、そう脳に言い聞かせればいいんだよ?」

 いや、夢じゃない、あきらかに夢じゃない。

 腹たっぷんたっぷんの中年オヤジとのセックスって時点で、おもいっきり現実という名の拳で殴りつけられていると思うんですが。

 夢、というのはもっと、菅田将暉くんのような男性と、ふいに出会い、恋に落ち、でもなかなか気持ちが通じ合わなくて、やっとお互いの気持ちを確かめ合い、遠慮がちな上唇ついばみキッスから始まるベッド・イン、みたいなことだと思うんですが。

 ……こうして、菅田将暉、と文字を打ち込むだけで耳まで赤くなってしまう私は今、菅田将暉くんに恋をしています。



意図的に、菅田将暉を避けていた

 私が初めて菅田将暉くんを認識したのは、2013年夏、映画館で主演映画『共喰い』の予告編を見たことがきっかけでした。滴る大粒の汗と、ぼそぼそと喋る声、生々しく光る目に、釘付けになったものです。

 その威力ゆえか、同映画以降に菅田くんの露出は倍増。それまでは映画もドラマも(ダブル主演をつとめた『仮面ライダーW』を除く)ちょこちょこと脇役を務める程度だったのに、主演や準主演ばかりになりました。

 だけれども、私が次に認識したのは映画『海月姫』。しかも原作ファンゆえ、「なんでこんなゴツイ人が蔵之介役なんだよー」と不満を持っていました。やはり予告編しか見ていなかったのですが、『共喰い』の人と同一人物だとは思っていなかったんですね。

 “旬の人”として人気が確立したと思われる2015年には、CM契約ラッシュに。その頃、『au』のCMに鬼ちゃんとして出演した菅田将暉くんを見て初めて私は、“菅田将暉”を意識的に認識し、あれもこれも菅田将暉くんだったのか、と脳内に散らばった残像が結びつくにいたりました。

 役柄によってこんなにも劇的な変化を見せるところが菅田将暉くんの俳優としての特徴であることは、私のような名もなきライターが言うに及ばぬところであり、映画専門誌等を読んでいただきたいんですが、“旬”到来以降の菅田将暉くんはわりとどれも変わらぬ空気感で演じているように思います。

 もう、ただただ、かっこいい。かっこよすぎて、実は旬以降の菅田将暉くんを、否応なしに目に入ってしまうCMや映画館の予告編以外では見ないようにしています。出演ドラマはもちろん避けるし、なにげなく見ていたバラエティ番組に登場したら、すぐチャンネルを変えます。だから「最近の空気感は……」とかしたり顔で言ってますが本当はわかりません、すみません。

 少し前までは、

「若いのに妖艶な色気をまとった目つきをする、演技の上手い俳優さんだなあ。よく見れば全然イケメンじゃないのに、目が離せなくなる。ずっと見ていたくなるのはなぜかしら。ああ、隣の山崎賢人がじゃがいもに見える」

と思って見ていられたのに、ある時期を境に直視できなくなってしまったのです。

 原因は、2015年10月の「週刊文春」の記事にあります。



若い男女の友情という眩しきもの

<二階堂ふみ&菅田将暉が三軒茶屋でゲリラライブ!>

 その隠し撮りされたグラビアには、路上に座り込んでギターを弾く二階堂ふみと菅田将暉の姿が。記事によると、ふたりは他の友人たちとホルモン屋に行ったあと、古着屋へ。その後、路上でギターを弾きながら歌っていたそう。

 眩しい、眩しすぎます。

 芸能人なのに路上で奇抜なことをしてしまうことも、夜間に異性と古着屋で「これ似合いそう、よくない?」「あー、だったらこっちの方がいいかも、こんな柄なかなかないよね。買っちゃおう」(妄想)とか話が弾んじゃうことも、すべてが眩しい。

 その後、ふたりはバラエティ番組等で「役者仲間」(菅田)、「考えていることとか、好きなものとか一緒」(二階堂)などとその関係について釈明、さらに菅田将暉くんは2016年12月号の『JELLY』(ぶんか社)で「大概の男には、どうしても下心ってやつがありますからね」と男女の友情が成立しにくいことについて話したあと、「例外は、二階堂ふみだけ。流行りの言葉で言うと、ソウルメイトってやつです」と語っています。

 実際、2人は本当にいわゆる恋愛としての男女交際はしてないんでしょう。っていうか、彼らからは「そんな薄っぺらな“男女交際”なんて枠でくくるなよ、くだらない。そんな俗では語れない特別な関係なんだよ」という意識がだだ漏れているんですよ!

 若さゆえ、ちんことまんこだけで物事を考える奴らを無粋だと蔑んでいた時期、みなさんにもなかったでしょうか? 私はありましたし、そういう人(=ちんことまんこが接触しない純粋な友情でつながる異性)がいました。名前をTさんとしましょう。Tさんとは、お互いに別の恋人がいるし、お互いに性的な欲求を含む好意は持っていない。けれども、週末に2人で遊びに行くし(主に美術館)、深夜から朝まで喫茶店で何時間でも過ごせるし(話すことは、アートと資本主義の関係性について。なんのこっちゃ……)、互いの家を行き来する(Tさん自作のスクラップ帳を見せてもらったり、私が夜中に散歩したときに撮った写真に添えたポエム帳を見せたりする。もう誰か殺してくれ)。もちろん「俺たち(私たち)はソウルメイト」は言いましたよ、当然でしょう。

 しないのは路上ゲリラライブくらいで、ほぼ菅田将暉くんと二階堂ふみと同じことをしていたんです(2人がこんな会話していたのか知らんけど……)。

 その関係に終止符が打たれたのは、今でも忘れもしない、いつものように私がTさんの家に遊びに行ったある夜。深夜、2人で久石譲のドキュメンタリー番組を見ていて、ふと視線を横に動かすと、Tさんは体育座りで頭を膝に埋め、だけれども目だけはギラリとテレビを見ているようで見ていなくて、間接照明だけが灯るほの暗い部屋で、Tさんの白目だけが鈍く光っていたのです。

 今までに感じたことのない、「Tさんが怖い」という感情が湧き上がりました。

 するとそれまで全く気にならなかったTさんの部屋の異様さも目につくように。部屋に貼られたおしゃれなポスターはすべて、目だけが目立つようなコラージュがTさんの手によって施されているとか、棚にはやたらと人形があり、全員がこちらを見ていることとか。
 以来、なんとなくTさんとの間に距離ができ、そのままフェードアウトしてしまいました。ソウルメイトとはなんだったのか。




同じ世界で生きているのに、田中美保とも菅田将暉とも交わることはない

 女子校・女子大育ちの私は、異性の友人に自分の趣味をさらけ出したり、夜中に何時間もだべったり、そこにセックスを介在させずに楽しい関係性を保つことが初めてでした。それはいわゆる、“青春”だったのかもしれません。

 菅田将暉くんを見ていると、私がもう二度と体感できない青春という名の後光が眩しくて、目を背けてしまうんです。

 以前、知人男性が田中美保の可愛さについて、「同じ世界で生きているのに絶対に交わることができないんだな、と思って、泣いた」と、田中美保全盛期に言っていたことがあるのですが、当時はバッカジャネーノと思って聞いていたのに、今、まさに私はその気持ちです。

 同じ世界に生きているのに、絶対に交わることができないのなら、もうこれ以上好きになりたくない。だから見たくないのに、失敗して『校閲ガール』を見てしまって石原さとみ演じる河野悦子を菅田くんが「えっちゃん!」と呼んだのがそのまま夢に反映されて、「はーちゃん!」と夢の中で菅田将暉くんに呼ばれてしまって、起きたときには一筋の涙が頬をつたいましたからね。

 もし偶然、路上で出くわしても、「ファンです」とすら話しかけることもできないと思います。同じ世界に生きていることが恥ずかしくて、いたたまれなくて。だから先だっては、まずは「ファンです」と目を見て言うことができるようにと、24時間フィットネスに通い始めたんですが、家計が赤字になりあえなく退会。だから今日もチョコとせんべいを食いながら、毛玉だらけのカーディガンに食いカスをつけながら、この原稿を書いているのでした。

 菅田将暉くん、すきです♥



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■有屋町はる/AVメーカー広報、実話誌編集を経てフリーライターに。現在は週刊誌にて、中年男性目線の芸能記事やピンク記事を中心に執筆中。U15アイドル周辺が好き
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