【独り寝のお作法】

93. セックスレスのとき求めているのはセックスではないのかも、という気づき


hitori

 セックスレスとは無縁!! といい切れる人って、果たしてこの世にいるのでしょうか。私、セックスレスになる自信だけは絶対的にあります。セックスは始めることより、維持することのほうがむずかしい。なにせ相手あってのことですから。努力すれば何とかなるというわけでもありませんよね。

 性欲は数値化できないので平均もわかりませんが、私は人より少し強いのだろうと自覚しています。じゃなきゃバイブを次から次へと挿れたりしません。だからいずれ来るであろう「セックスしなくなる日」というのが漠然と怖いのです。何かが終わってしまう感じ。人生の幕がひとつ降りるような。……ですが、映画『午後3時の女たち』を観て、ふと考えたのです。「私がほんとうに欲しいのはセックスなんだろうか」と。

 主人公は専業主婦、レイチェル。アラフォーで、同年代の夫は稼ぎがよく、5歳の息子はかわいい。でも、セックスレス。電話の履歴を見ると、夫の携帯か会社の番号、そして息子の幼稚園だけ。カウンセリングでも、満たされない想いを吐露できない。それどころか「寝る前にセックスするなんて最悪よ。午後3時ぐらいならいいけど」「夫と見つめ合ってイクなんておかしいんじゃない?」と、うそぶきます。

 彼女を見ていると、「この人、そんなにセックスしたいのかな?」と首をかしげてしまうのです。裕福なのにファッションには無頓着で、化粧っ気もゼロ。自宅のプールで遊ぶとき、身に着けているのは授乳用ブラ(息子はもう5歳なのに)。夫と夜遊びして帰ってきてひさしぶりにい~い雰囲気に……の次の瞬間にはトイレに駆け込みゲーゲーと嘔吐。こう書くと、ただのだらしない女性に見えるかもしれませんが、既婚未婚の別なく、慣れ親しんだ関係ってそんなところがありますよね。他人事とは思えません。私もいずれこうなりそう……だからセックスレスになる自信があるのです。

ストリッパーという強すぎる刺激


 でも、このレイチェルの場合は、日常のなかにある不満をすべて〈セックスレス〉というボックスに放り投げているだけのように見えます。毎日が同じことのくり返し。ママ友づき合いはかったるいし、夫は家でもずっとパソコンを見ていて会話もナシ、子ども関連の行事からは逃げたがる。カウンセラーだって私の話をまじめに聞いているんだかいないんだか。私にもなりたいものはあったのに、なんでこんなに退屈な毎日なの……?

 自分で認めてしまえば何もかもがイヤになって立ち止まってしまうから、目を逸らしているレイチェル。しかし、その逸らした視線の先に、ものすごく刺激的なものを見つけます。それは、ストリッパーの女の子。性的魅力を所かまわず振りまき、「私はセックスワーカーよ」と言ってのけ、顧客とアブノーマルなプレイに耽る。なのに、メイクを落とすと少女のようにあどけない。ある日、彼氏のもとを追い出されホームレス状態になった彼女をレイチェルは自宅に連れ帰り、一部屋与えます。
 セックスレスはふたりで膝を付き合わせて考えても解決しない……というのが私の持論です。どちらか片方にだけ原因があってレスになることはあまりなく、〈ふたりでレスになる〉ものだから、外から打開策を持ち込まないと、という考えです。

 レイチェルにとっては、そのストリッパーの彼女がそうなるはずでした。同性愛的感情をほのかに味わい、彼女の手でビッチ風なメイクを施してもらい、彼女と客との性行為を見学する。非日常の連続に後押しされ、たしかに夫との性生活も復活の兆しを見せます。……でも、満たされない。

 一方でレイチェルは、まるで慈善事業のようにストリッパーの彼女の面倒をみます。住むところを与え、いまの仕事から足を洗うよう勧め、それでも彼女の行動自体は止めずに、やさしく見守る。レイチェルが彼女を構うほど、ふたりの社会的立場の差が際立ちます。そこで生じる優越感は、なんだかんだいっても甘美なものでしょう。……なのに、やはり満たされない。

ほんとうの不満は何なの?


 自分が求めているものが何か、がレイチェルには見えていないのです。セックスレスによる欲求不満だと思っていたけれど、実はそうではない。だから、外から大きすぎるほど刺激を入れるほどズレていく。ひとりで勝手にズレていくならいいけれど、彼女の場合は夫や周囲の心やさしい人たちともギクシャクしはじめます。これ、困りますよね~。「何をしたいかわからないまま暴走する人」って、私でも距離を置きたいです。

 彼女がほんとうに欲しかったのは、きっと、もっともっとシンプルなものです。夫と心を通わせ、自分たち家族は大丈夫だという実感を得ること。そのためにセックスだけでは不十分だし、誰かをマウンティングするのも筋違い。ほんとうは夫に言いたいことがたくさんあるのに(そんなパソコンばかり見ていないでとか、もっと育児に協力してとか)、それにすべてフタをして、ぜ~んぶざっくりまとめて〈セックスレス〉の問題に集約させていた……。レイチェルも最終的にはそこに気づきますが、そのためにした回り道はほろ苦すぎるものでした。

を見て思うのです。私がセックスレスをいまから心配するのも、ただ欲望の問題ではないのではないのかもしれない、と。大切な人と心を通わせること、それを肌のふれ合いをとおして感じられること、そうした機会が失われること自体が怖いのではないか。逆にいうとそれが実感できたなら、セックスしなくてもよくなるのかな……。それはまだわかりませんが、漠然とした不安や不満をセックスレスのせいにするのは避けたいですね。セックスしていてもしなくなっても、問題の根っこを見失わずにいたいです。

このコラムへのレビュー

コラムに対するご感想をぜひお寄せください。

プロフィール

momoko

■桃子さん

オトナのオモチャ200種以上を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。 ブログ twitter

オススメコラムリスト

掲示板
観たい動画のリクエストからセックスの悩みまで、匿名OKな掲示板

  • 北野翔太くんについて(12)
    私は、今はもう浅井陽登をなんとも思っていない。つまり彼を忘れているわけです。 それはさておき、今度の北野さんの問題、messyで物種にならないことは、今度の事件を「話題にしたくない」という考えがあまりにも強すぎ。有名人を叩いていながら、彼も叩かないのはある意味ではおかしいです。事がどれほど重大であるかmessyには分かっていないと思うのです。 北野さんがエロメンとして今後、活動が厳しいうえ、SILK LABOでも一部知っていることだと思うのです。「契約違反した」人をどこ行っても使えないのではと思えてならないです。 まして、ここ2ヶ月、2人も新人のエロメンがデビューして、彼らが「先輩のエロメンに追い付いていけるよう頑張ろう」と思っていたのにその先輩が(端的に)問題を起こす人を「(この人のように)頑張ろう」なんて思わない。「エロメンに対する信用問題」になりかねないわけです。 どっちにしても北野さん、エロメンとしてやるの難しいです。ルール違反したような人は使えないと思うのです。 でも、これだけは書かせてください。東惣介がレギュラーの「サイテー男」その「サイテー男」よりもっと(ルールを守れない)「サイテー男」の北野翔太なんてみんな応援したくないものです。
  • 女性用風俗(40)
    AVだけの世界かと思えば 女性用風俗が本当にあることを昨日知りました! 女性ホルモン活性マッサージと言うジャンルもあるんですね。 すごく行きたい! レビュー読んでるとすごく 良さそう・・ どなたか行った事ありますか?

お支払い方法

クレジットカード
コンビニ支払い
銀行振込
その他の支払方法
ページTOPに戻る