【ノベルver.】オリジナルlove 一徹×アキノリコラボ作品「Re:逢いたい」

中編 大切な人だからこそ言えないこと


彼女のことは大切に思っている。
今がずっと続けばいいと思ってた。

会社から、俺に転勤の内示が届いた。まだ、このことを彼女には言えていない。

「このプロジェクトは、君にかかっているからね。」
上司が期待を寄せてくれている。嬉しくないわけではない。
でも、彼女と離れ離れになってしまうのかと思うと、どう伝えたらいいかがわからない。


彼女に本当のことをうまく伝えられないまま、
喧嘩別れのように、俺は彼女のもとを去った。

福岡での仕事は順調だった。上司の期待にも応えられているつもりだ。
でもひとつ、頭から離れないことがある。
それは…彼女のこと。

あの日あの時の、あの悲しそうな顔が今でも頭に浮かんで忘れられない。
なんで俺はあんな言い方をしてしまったんだろう…。


そんなとき、ちょうど東京に戻る用事が出来た。
少しだけでも、顔が見たい…。

今更、会ってどうしようというのか。
彼女は俺のことを許してはくれないかもしれない。
もうほかに好きな人ができているかもしれない。
でも…。

足は自然に彼女の家のほうへと向かっていた。


彼女の家。
当たり前のように、ふたりで過ごしていた、この家。
チャイムを鳴らす。
応答は、ない。
…そうだよな。彼女には彼女の生活がある。いきなり来て、俺は何がしたいんだろう。

諦めて振り返ると、アパートの階段に彼女が立っていた。


家に入れてくれた彼女は、一緒に住んでいた頃と変わらず可愛らしかった。
「…久しぶり、だね。仕事、うまくいってるの?」
「まぁ、お陰様で。」
「“お陰さまで”って…。なんか勘に触るなぁ。」
少しムッとした顔をする彼女。
「いや、あの、そういう意味じゃなくて…。」
表情を曇らせたのは一瞬で、パッと笑顔になってご飯を用意してくれると言ってくれた。

でも俺、もうすぐ行かなきゃ…帰りの飛行機に間に合わない。
玄関先まで送ってくれた彼女が、愛おしくてたまらなかった。

こんなに強い思いを、抑えこむことなんてできない…。

壁に追い込んで顎を持ちあげた。
離れてみてやっと本当の気持ちに気付いたんだ。

彼女のことが、好きだ。

俺は優しくキスをした。




<後編へ続く>

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プロフィール

一徹xアキノリ

■オリジナルlove 一徹×アキノリ

大好評のオムニバス作品、「オリジナルlove 一徹×アキノリ」の一作、「Re:逢いたい」のノベルver.を公開。せつない遠恋物語をお楽しみ下さい。
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